電気工事会社を営む切替さん一家が、
千葉から秋田・大館市に移住してきたのは6年前…
大晦日の夜になると、なぜか近所の人々が切替家に集まって来る。
お目当ては切替家にある大きなスクリーン。
大画面で「紅白歌合戦」を楽しむのだ。 一家が引っ越してきたこの家は、
築65年、敷金・礼金0で家賃5万円の“ワケあり格安物件”。
かつて市民に愛された映画館の廃墟だった。
食卓を囲む一家のリビングは、映画館のロビー。
雪国なのに風呂さえない暮らしが始まった。 移住のきっかけは、2011年の東日本大震災。
インフラが壊滅的な打撃を受けた東北地方で工事が急増。
秋田へ住まいを移すことに決めた父・義典さん(46)が、
格安物件を探していた時、偶然見つけたのが、
2005年に閉館し、廃墟になっていた「御成座」だった。 引っ越し当初は「家族で映画を観よう」くらいに考えていた義典さんだが、
この町で暮らし始めると、「御成座」が地元に愛され、
惜しまれながら閉館したことを知る。
人々が御成座の再開に期待を寄せていることを知った義典さんは、
映画館復活を思いつく。
そして、2014年7月、格安物件に引っ越したはずの切替家が、
数百万円を投じて御成座を復活させた。電気工事会社を営む一家が、
映画館も経営することになったのだ。 しかし、時代はシネコン全盛…東北で唯一の単館映画館は
すぐに経営の危機を迎える。 (おそらく)日本で唯一、映画館で暮らす家族の6年を追った…
【語り】夏帆
【チーフプロデューサー】西村陽次郎
【プロデューサー】戸田有司・澤田祥江・森田修三・菅原剣士郎
【演出】小川典 【制作協力】オルタスジャパン
【制作著作】フジテレビ
【番組テーマ曲】〈曲名〉サンサーラ〈歌〉竹原ピストル