[放送日時]
2020年6月7日(日)23:00~23:30
人生をダチョウに捧げる男 感染症予防の可能性を探る
世界最大の鳥類にして、飛べない鳥「ダチョウ」。
そのチカラを感染症予防に活かそうと奮闘する大学教授がいる。
獣医学博士の塚本康浩。
京都府立大学で鳥類の免疫学や感染症を研究し、獣医師としても活動、
この春からは大学の学長にも就任した人物だ。
塚本が、長年研究対象とし、人生のパートナーと言って憚らないのが、
「ダチョウさん」。
そもそも研究者が少ない分野だが、その権威として知られている。
中でも、ダチョウが身体に宿す「抗体」を取り出し、マスクや飴に含ませ、
感染症予防に繋げるという独自の取り組みで注目を浴びてきた。
実はダチョウ、およそ200万年前から姿をほとんど変えていないと言われる
原始的な鳥。
カラダを守る力に優れ、病気にかかることも少なく、怪我の治りも早いのだと言う。
塚本は「私は、ダチョウさんの力を借りているだけですから」といつも謙虚だ。
その研究室には、スズメやインコ。学内で、大型鳥類エミューも飼育中。
幼い頃から無類の鳥好きで、その魅力を「自由で、元気で、ファンキーなところ」と語る51歳。
新型コロナウイルスの影響で、学生がほとんどいなくなった大学の構内で、
ダチョウと向かい合い、新たなウィルスへの予防策を模索する日々を見つめた。