No.23 一本の電話

佐藤 詩織
(さとう しおり)
所属:制作部

この仕事を始めて一年と半年が過ぎたころ、ある一本の電話が私の携帯にかかってきた。

相手は一年前、番組で紹介するために電話取材でお話を伺った女性の方だった。

番組放送時からだいぶ経っていたので 何事だろう、と恐る恐る電話に出ると…
「ちょうど今日、私の誕生日だったんですが、あの番組が再放送されていて、
亡くなった母のことを思い出しながら見ていました。
母からの激励のようにも感じて嬉しくて、つい連絡しちゃいました!」

という、なんともありがたいお言葉。

まさかの嬉しい連絡に一瞬、言葉が詰まってしまった。

その取材は、入社して初めてADとしてついた番組の時で、
緊張しながら電話をかけたことをよく覚えている。
(今も初めての方と電話する時は緊張する)

それでも気づいたら40分以上も楽しくお話ししていて、
亡くなったお母様との素敵なエピソードまで話してくださったのだ。

そんなことを思い出しながら、久しぶりの女性との電話を楽しんでいた。

テレビは不特定多数の人に見てもらうものだけれど、
まずは取材した方に喜んでもらえたことが一番嬉しかった。
そして私も番組作りに関われているんだという実感と責任が増した瞬間でもあった。

もうすぐ入社3年目に突入する。これからきっとたくさんの壁にぶつかるだろう。

どうか初心を忘れず、この思い出がいつか自分の励みになることを願う。

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